メール・日記が証拠となるかについて

ご相談をよく受けるものとして、相手方が書いたメールや相手方が書いた日記が自分が行った暴力や不倫（不貞行為）などの証拠となるのか？というものがあります。

当職の経験からすれば、一概に証拠になるとか、証拠にならない、といえるものではなく、ケースバイケースと言わざるを得ません。

まず、メール、日記以外に、その記載内容を裏付ける他の証拠がある場合には、他の証拠と相まって当該メールや当該日記が信用できる証拠となる可能性が高くなります。暴力を振るわれたと記載されたメールのほかに、日記が書かれた日時と近い時期に医師の診断書（受傷部位の診断について暴力を振るわれたと主張する個所との整合性が必要です）があれば、メール、日記の記載内容の信用性が高まります。

次に、メール、日記以外に、その記載内容を裏付ける他の証拠が尋問（法廷での証言）以外にない場合には、メールや日記の記載内容が前後の出来事や文脈などから合理性があるかどうかが問題となります。合理性があれば信用性は高まります。尋問（法廷での証言）においてメールや日記を書いた当事者が前後の脈絡や当時の状況を具体的に整合性をもって証言した場合には合理性が認められやすいでしょう。ただし、暴力や不倫は、それを主張する側に立証責任がありますから、当該メールや日記にある程度の合理性が認めれるからといっても、裁判官において、必ずしも暴力があったとか、不倫を認めるとは限りません。ケースバイケースとなります。